2024/10/28
猫の小眼球症、眼瞼欠損とは?
「飼い猫の眼が小さく見えるような気がする」
「左右の眼の大きさが違う?」
このような心配を感じたことはありませんか?
この記事では猫の眼の異常の中でも、生まれつき猫の眼が小さく見える小眼球症、眼瞼欠損とは何かや、日常生活への影響、治療法について詳しく解説していきます。
最後まで読めば猫の小眼球症、眼瞼欠損について理解が深まり、適切な対処ができるようになるでしょう。
少しでも当てはまる症状があれば、早めに動物病院で診察を受けましょう。
■目次
1.猫の小眼球症とは
2.猫の眼瞼欠損とは
3.日常生活への影響は?
4.猫の小眼球症、眼瞼欠損の治療
5.まとめ
猫の小眼球症とは
猫の小眼球症とは文字通り、眼球の大きさが正常よりも小さい状態のことを指します。
上の写真が小眼球症の猫です。正常な猫に比べると眼球が小さく見えます。
猫の小眼球症は片眼だけの場合と両眼に現れる場合があります。
小眼球症は眼瞼欠損や白内障など、他の先天性異常も併発していることが多いです。
また、視覚障害を認める症例も存在します。
小眼球症は猫での発症は犬と比べるとまれであり、好発品種はないとされています。
原因
猫の小眼球症の原因は、はっきりとは解明されていません。
しかし、遺伝的な要因や母猫が妊娠中に感染症にかかったことなどが関係していると考えられています。
感染症には猫免疫不全ウイルス(FIV)、猫白血病ウイルス(FeLV)、猫伝染性腹膜炎(FIP)などがあります。
小眼球症の猫では、これらの感染の有無を調べることも重要ですね。
症状
小眼球症では、以下のような症状が見られることがあります。
- ・眼球が小さく、埋もれているように見える
- ・眼球が小さいため眼瞼内反を認めることもある
- ・眼球表面を潤す涙の量が少ないため、ドライアイになりやすい
- ・視力低下を起こしている場合もある
眼球が小さいことや他の併発疾患により様々な問題が生じる可能性があります。
猫の眼瞼欠損とは
猫の眼瞼欠損とは生まれつき、まぶたの一部が欠損している状態です。
上の写真は眼瞼欠損の猫です。
この症例では、小眼球症もあり眼球が小さく見えることが分かります。
まぶたは眼球を保護する役割を担っているため、欠損があると様々な問題が生じる可能性があります。
眼瞼欠損は下まぶたに比べると、上まぶたで多いとされています。
原因
猫の眼瞼欠損の原因も小眼球症と同様に、遺伝的な要因や胎仔期の発育障害といわれています。
症状
眼瞼欠損の猫では、以下のような症状が見られることがあります。
- ・まぶたの一部が欠損しているため、眼球が乾燥しやすい
- ・瞬きがうまく出来ない
- ・まつげや体毛による刺激で、角膜炎や結膜炎を起こしやすい
角膜への刺激が強いと角膜潰瘍を起こすこともあります。
角膜潰瘍が悪化すると、失明してしまう危険性があるので注意が必要ですね。
日常生活への影響は?
小眼球症や眼瞼欠損を持つ猫は、視覚障害や眼の乾燥、感染のリスクが高くなります。そのため、日常生活において特別なケアが必要となる場合があります。
例えば、目薬の定期的な使用や、眼の周りを清潔に保つことが重要です。
視覚障害がある場合では空間認識力が低下し、家具にぶつかったり、段差で転倒したりするリスクが高まります。
しかし、片眼の視力が問題なく、感染や結膜炎などの症状がなければ不自由ない生活を送ることも可能です。
猫が生活しやすいように環境を整えることが重要ですね。
猫の小眼球症、眼瞼欠損の治療
小眼球症に対する根本的な治療はありません。
しかし、症状を和らげたり、二次的な感染を予防するために人工涙液や抗生物質の点眼薬や軟膏などが処方されることがあります。
眼球が小さいことで眼瞼内反といって、まぶたが内側にめくれることもあり症状が強いと眼球摘出をすることもあります。
眼瞼欠損の場合は、欠損部分を手術で修復することもあります。欠損部を形成する手術を行うことで、眼球の乾燥を防ぐことが出来ます。
手術には全身麻酔が必要となるため、猫の年齢や健康状態などを考慮して慎重に判断する必要があります。
猫の目の状態を定期的に獣医師に診てもらい、適切な治療を受けることが大切ですね。
まとめ
猫の小眼球症と眼瞼欠損は、先天性の疾患で、遺伝的要因や発育不全などが原因となります。
これらの疾患は、猫の見た目だけでなく、視力障害や眼の健康にも影響を与える可能性があります。
そのため、定期的な検査と適切な治療が重要です。
また、日常的なケアと観察を行っていただくことが大切です。愛猫の目の健康に気を配り、異変に気づいたら速やかに獣医師に相談しましょう。
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