犬の鼻涙管閉塞について|犬の涙が増えるたら鼻涙管が閉塞している?

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犬の鼻涙管閉塞について

鼻涙管とは眼と鼻を繋いでいる細い管のことを言い、眼から出た涙を鼻に通す役割を持ちます。
この鼻涙管が何らかの影響で塞がってしまうことを鼻涙管閉塞と言います。
鼻涙管が閉塞すると涙の行き場がなくなり、眼から涙が溢れることとなります。
今回はそんな鼻涙管閉塞について解説していきます。

■目次
1.鼻涙管は涙の通り道
2.鼻涙管閉塞の原因
3.症状
4.鼻涙管閉塞の治療とケア
5.まとめ

鼻涙管は涙の通り道

みなさまは目薬を刺した時に苦味などを感じたことはありますか?
または泣いたときに鼻水がたくさん出る時はありますか?
これらの経験がある方も多いかと思いますが、この現象は全て眼と鼻がつながっているから起こります。
人にも動物にも、目頭には涙点という小さな穴が空いており、その穴は鼻に通じています。
この眼から鼻へ抜ける通り道を鼻涙管と言い、過剰な涙は鼻へと抜けることができます。

鼻涙管閉塞の原因

鼻涙管の閉塞には先天性と後天性があります。

先天性は

  • ・生まれつき鼻涙管が狭い
  • ・鼻涙管が未発達

などがあります。

後天性は

  • ・けが
  • ・炎症物による鼻涙管のつまり
  • ・鼻炎や歯根の炎症によるつまり

などが挙げられます。

症状

「うちの子涙が多いな」
「涙やけがひどいな」
と感じることもあるかも知れませんが、それには鼻涙管が関連している可能性があります。
鼻涙管が閉塞すると涙が鼻に通らないため、眼に涙が溜まりやすく、眼から涙が溢れます。
それにより、目頭の皮膚や毛はずっと濡れてしまい、細菌が悪さをしやすい環境を作ってしまいます。
鼻涙管閉塞を放置すると、目やにや結膜炎、また皮膚が細菌感染を起こし、眼周囲の皮膚炎になる犬もいます。

鼻涙管閉塞の治療とケア

鼻涙管が閉塞した場合にできることは、治療とお家でのケアがあります。

治療は鼻涙管に細い管を通し、生理食塩水で詰まりを解除することや、抗生剤の点眼により炎症による詰まりを緩和します。

お家でのケアは蒸しタオルなどで目頭付近を温めてあげることや、目頭の涙点付近や鼻の付け根あたりを指でマッサージをするなどがあります。

まとめ

今回は涙やけの原因の一つである鼻涙管閉塞について解説しました。

涙やけのご相談は日常での診察でも多く、「どうにかしてあげたい!」という飼い主様も多いかと思います。
鼻涙管閉塞の治療の一つである通りをよくする処置は、多くの犬で鎮静や麻酔が必要です。
幼少期から涙が多い、涙やけが気になるという場合は、避妊手術や去勢手術の時の麻酔を利用して鼻涙管の洗浄を行うことも可能です。

飼い犬の涙の量や目やに、涙やけについてご相談があれば、ぜひ当院のスタッフまでお声がけください。

 

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