犬のまつ毛について|犬にも逆さまつ毛がある?

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犬のまつ毛について

逆さまつ毛とは、まつ毛が異常な生え方をしている状態のことを言います。
逆さまつ毛は犬では多く、猫ではまれで、片方あるいは両方の目で起こり、上まつ毛、下まつ毛どちらにも発生する可能性があります。
逆さまつ毛が原因で目の表面に傷ができたり、結膜炎になることもあり、適切な処置が必要です。

今回は犬の逆さまつ毛について解説していきます。

■目次
1.犬の逆さまつ毛とは
2.逆さまつ毛の原因と症状
3.逆さまつ毛の治療
4.まとめ

犬の逆さまつ毛とは

逆さまつ毛は、その異常まつ毛の生え方で3種類に分けることができます。

1.睫毛(しょうもう)重生

マイボーム腺という目の縁の部分からまつ毛は生えている状態で、プードルやコッカースパニエルなど多くの犬種で見られます。

2.睫毛乱生

まつ毛の生えている位置は正常ですが、目の周囲の毛の向きにより目の表面に毛が当たっている状態を指します。

3.異所性睫毛

マイボーム腺から発生したまつ毛が瞼の粘膜を貫通し、目の表面を傷つけている状態を指します。
若い犬での発生が多く、あらゆる犬種での発生が報告されています。

逆さまつ毛の原因と症状

睫毛重生や異所性睫毛は犬種により違いがあるため、遺伝の可能性があると言われています。

睫毛乱生は瞼が内側に入ってしまう眼瞼内反症や、短頭種での鼻の皺の毛が原因となることが多いと言われています。

症状は

  • ・涙が増える
  • ・目脂が増える
  • ・結膜の充血
  • ・眼を開けづらそうにする(羞明)

などがあります。

逆さまつ毛の治療

逆さまつ毛の治療には、異常に生えているまつ毛を定期的に抜いていく方法と、永久的に生えてこないようにする方法があります。

定期的に抜いていく方法は、麻酔を必要とせず、比較的どこの施設でも実施可能です。
ただし、数週間~数ヶ月の間隔で病院に通い処置をする必要があります。

永久的に生えてこない治療は電気脱毛法冷却脱毛法外科治療があります。

電気脱毛法は電気を流すことにより、毛が生えている細胞を破壊します。
凍結脱毛法は液体窒素によりまつ毛の毛根を破壊します。
これら二つの治療方法の再発率は10~30%程度だと言われています。

外科治療は異常に生えているまつ毛の毛根を切除します。
異常なまつ毛が広範囲に及ぶ場合、外科切除は推奨されません。
永久的に生えてこない治療は麻酔が必要であり、また処置を行える機械を置いている施設が少ないことがデメリットです。

睫毛乱生の場合は眼周囲の毛を短くカットすることで予防可能です。
短頭種で鼻のシワやシワの毛が目の表面と接触している場合は、シワを伸ばす手術をする必要があります。

まとめ

今回は逆さまつ毛について解説しました。
逆さまつ毛の種類により、原因や治療は様々です。
逆さまつ毛はそれ自体が見つかり、相談にくる飼い主様は滅多におらず、結膜炎や目の傷から病院を受診することが多くなるかと思います。
治療をしなければ目の症状が悪化しますので、動物病院でしっかりと処置をしてもらいましょう。


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