猫の喘息について|猫が咳をしていたら人と同じ喘息?

猫の喘息について|猫が咳をしていたら人と同じ喘息?

「最近うちの猫が咳をしている。」
「動物病院で猫喘息と診断されたがどういった病気かわからない。」
「猫喘息の薬を飲ませてるけどどんな薬かわからない。」

といった経験はないでしょうか。

猫は、私たち人間と違って、あまり咳をしない動物です。
猫が2ヶ月以上長引く咳をしていたり、苦しそうな呼吸をしていたらそれは重篤な病気のサインかもしれません。
猫の咳の原因の中でも多くの割合を占めているのが猫喘息と呼ばれる病気です。
今回はこの猫喘息という病気について詳しく解説します。ぜひ最後までお読みいただき、咳をしている猫についての理解を深めましょう。

猫喘息とは

むせている猫

猫喘息は慢性的な気管支の炎症です。気管支が狭くなり咳や呼吸困難を生じます。
人とよく似た症状や病態から猫でも猫喘息と呼ばれるようになりました。
猫喘息は若齢から中年齢(発症の平均年齢は4〜5歳)で発症します。発症は猫全体の約1〜5%を占め、猫の種類や性別には無関係です。


猫喘息の症状

猫喘息の症状は、以下のようなものがあります。

  • 呼吸が早い
  • 口を開けて呼吸をしている
  • 元気がなくなる
  • 食欲がなくなる

人の喘息と同様に咳をすることが多いです。重度な咳になると苦しそうに呼吸をするようになります。また時折嘔吐のような仕草を認めることもあります。


猫喘息の検査

猫喘息は、はっきりとした診断基準が定められていません。 そのため、さまざまな検査を組み合わせ、他の病気ではないことを確かめることで猫喘息と診断します。検査は、以下のものを組み合わせます。

  • 身体検査
  • 画像検査
  • 血液検査
  • 糞便検査
  • 気管支鏡検査
  • アレルギー検査

猫喘息の原因

マスクをしながら咳をする猫

猫の喘息の原因ははっきりとわかっていません。しかし、人の喘息と同様に、ハウスダスト、芳香剤、花粉、タバコなどのアレルゲンに反応するI型過敏反応(I型アレルギー)と考えられています。
気管支の炎症は、気管支を狭くしたり、気管支の中の粘液を増加させます。そのため肺の空気が外に出せなくなり、肺が膨張したり、肺の内部が破れてしまったりします。
病気が進行すると、治療をしても元には戻らなくなってしまうこともあります。


猫喘息の治療

猫喘息の治療は、基本的には薬による内科治療が行われます。

内科治療には、

  • ステロイド
  • 気管支拡張剤
  • 免疫抑制剤 

などがあり、中でも一般的にはステロイドを主体として治療が行われていますね。
ステロイドの投与方法にはさまざまな方法があり、

  • 内服
  • 注射
  • 吸入剤
  • ネブライザー(噴霧)

などが挙げられます。ステロイドには副作用があります。
内服や注射での投与は薬の効果が全身に現れるため、副作用も全身に現れてしまいます。
しかし吸入薬やネブライザーでは薬の効果が肺や気管支などの呼吸器に限定されるため、副作用が出にくいです。
現在では長期間ステロイドを使用する場合は、吸入薬やネブライザーが推奨されるようになってきていますね。


まとめ

おうちの猫が咳をしていたら心配になりますよね。
猫喘息に対してご家族ができることは、アレルゲンに晒されない環境作りです。
例えば、お部屋の掃除や空気清浄機の使用によるアレルゲンの除去などが挙げられます。
生活環境を見直し、猫喘息を今以上に悪化させない努力をしていきましょう。

猫喘息の治療でお悩みの方、咳を発症している猫を飼われている方は、いつでも当院へご相談ください。

猫の健康を守ることができるように一緒に取り組んでいきましょう。

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